アフリカン NEWS
第5回 頑張れ南アフリカ、絶対渡すなワールドカップっ! 執筆日時 2007/05/07(月) 08:26
「おおーっ、もしかしたらまた日本でワールドカップか!?」と喜んでいる方も大勢おられるかと思いますが、そんなこと絶対にやめて下さい。と願うニュースです。
「2010年サッカーW杯、日本も代替開催の候補・FIFA会長」(NIKKEI NET)
「Fifa makes 2010 Cup back-up plan」(BBC SPORT)
BBCニュースの方にFIFA取締役の方のインタビューも含めた若干詳しい記事が載っていましたが、「2010年ワールドカップ開催予定の南アフリカで不測の事態(自然災害など)が発生した場合には、イギリスや日本などのその他の国でワールドカップを開催する可能性がある」というニュースです。日本のメディアでも一斉に報道されたようです。
この発表では、「自然災害などの不測の事態」と説明していますが、もちろん自然災害を本気で想定しているわけではありません。南アには無理だろという話なのです。南アでは現在急ピッチで巨大スタジアムの建設などが進んでいますが、このインフラ整備の遅れ、と言うよりは世界最悪の犯罪都市ヨハネスブルクが大きなマイナス要因となっているようです。
観光などで南アを訪れ、ご存じの方もおられるかも知れませんが、ヨハネスブルクは本当に危険だそうです。残念ながら私は行ったことがありませんので人から聞いた話や、ネットで集めた情報からの記事となってしまいますが、世界最悪の名は伊達ではないようです。実際に南アに派遣された協力隊員の方が話している武勇伝を何度も直接耳にしたことがありますが、曰く「町中は絶対に歩けない」「隣ブロックの店に行くのもドアtoドアでタクシー利用」「首元にナイフ突きつけられて携帯取られた」などなど聞くのも怖いお話ばかりでした。
経済力などを心配する方もおられるかも知れませんが、そこはアフリカ経済を牽引する南ア。心配無用です。実はワールドカップが何度も開催されたメキシコ、ペルー、ブラジルなどに比べ国民ひとりあたりのGDPは高く、医療の分野では外科手術の技術力は世界トップクラスと言われています。一方、所得格差がとても大きいのも特徴で、2003年の人間開発報告書によると所得上位20%の人々の平均所得と下位20%の人々の平均所得には20倍もの開きがあります(その他のアフリカ諸国は概ね8倍ほど)。そこが、都市部での治安が悪くなってしまった要因のひとつかも知れません。
そんなちょっと恐ろしい南ア開催の次期ワールドカップですが、私にはどうしても南アでやってほしい、いややってもらわなくては困る理由があるんです。それはアフリカの子ども達の「夢」だから。みなさんもご存じのようにアフリカ諸国の一番人気のスポーツは誰がなんと言おうとサッカーです。小さな男の子達は小さな広場で手作りのボールを使い、中・高校生は毎週のように行われる学級対抗のサッカー大会に情熱を燃やします。週末になれば電気のない村ですら、子ども達は手に手に小銭を握りしめ、村の有力者の家にヨーロッパチームのサッカーテレビ中継を見せてもらいに集まります。
そんなサッカー大好きなアフリカの子ども達にとって、あのワールドカップがアフリカで開催されることの意義ははかり知れません。この南ア大会が成功すれば(さらにアフリカのチームが決勝リーグでベスト4なんかに入ったりした日には)、きっとアフリカの人々、特に男の子達にとても大きな夢と自信を与えることになるでしょう。世界も、アフリカのすばらしさに気づかされる良いきっかけになるかも知れません。それをわかっているからFIFAは今大会からの大陸持ち回り開催を宣言し、初のアフリカ開催を決定したはずではなかったのでしょうか。あの初心を絶対に忘れないでほしいです。
もちろん、実際には悪いのはFIFAではなくヨハネスブルクの治安と、それを解決できていない南ア政府にあるので、後3年、南ア政府には治安回復の政策に本気で取り組んでほしいです。そして世界をアッと言わせて下さい。それが、アフリカのリーディングカントリー、南アに託された責務と言ったらそれはちょっと言い過ぎでしょうか・・・。
頑張れ南アっ!!
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