アフリカ レビュー
第2回 アニメーションで見る人間開発 執筆日時 2007/04/01(日) 19:05

昔々、私たちは「開発」とは経済的な発展を意味する物だと思っていました。経済が発展し、お金があればもっといい暮らしができ、みんな幸せになれると考えていました。でも、そんなことが真実であるはずはありません。経済成長だけに偏った歪な政策により、経済が発展しても子ども達に教育は行き届かず、小さな子ども達は大きくなれずに亡くなっていきました。
そんな歴史の反省から生まれたのが「人間開発指数」通称HDI(Human Deveplopment Index )です。GDPの大きさだけを競っていた時代から一歩進み、人間開発指数では「経済」「教育」「健康」の3つを主な指標とし世界各国の「人間開発」の進み具合を数値化しています。そしてこの数値化されたデータを元に作られた「人間開発報告書」は、毎年国連の一機関である国連開発計画から毎年発表されています。最新の2006年度版も出ていますので、興味のある方は国連開発計画のホームページをご覧になってみて下さい。
「人間開発とは」 http://www.undp.or.jp/hdr/

しかし今日紹介させていただくのは、この人間開発報告書の事ではありません。去年度版の人間開発報告書が発表された時にいっしょに掲載されていた「Human Development Trend(以下、HDアニメーション)」という人間開発の現状とそのトレンドを説明するアニメーション・コンテンツです。このコンテンツのすごいところはなんと言っても動画(つまりアニメーション)で作られていること。人間開発報告書は小難しいレポート&データの羅列で読み物としての面白さに欠けますが(まじめな報告書なので当然ですが)、このHDアニメーションでは世界各国の経済格差や、経済力と保健医療の”非”関連性などがとても分かりやすく説明されています。
例えば、1日1ドル以下で生活する最貧困層と呼ばれる人々の割合や地域的な分布、80年代から現在までのその割合の増減など、興味深いデータが本当にわかりやすく紹介されています。そして、このHDアニメーションを見るときっと衝撃を受けます。私たち日本人がどれだけ”特殊”な存在なのか、世界のどれだけの富を無駄に使い捨てているのか、数値だけからは気づかないその事実をこのアニメーションが指摘してくれます。残念ながら日本語化されておらず英語版で見るしかありませんが、とても簡単な英語しか使われていないので学校の教材としてもとてもいいと思います。日本の中・高校生にぜひ見て貰いたいコンテンツです。

人間開発報告書が発表されるたびに、日本のメディアは「日本、暮らしやすさ世界8位」「世界一は今年もルクセンブルク」などととんちんかんな事を書き、それに反論する人々が「人々の暮らしを数値化するなんてばかげてる」「全く意味のない指標」などと毎回物議を醸していますが、私はこの人間開発報告書とはランキングを競うものではなく、HDアニメーションが示しているように「この国は経済が発展しているけど平均寿命がとても低い」といった事例から反面教師的に学べること、また「この国は教育の分野がとても発達している」といった事例から学べる良き政策など、人間開発報告書は多くのことを私たちに教えてくれると思います。
みなさんもぜひ一度このHDアニメーションをご覧になって下さい。本当に考えさせられるコンテンツだと思います。
「Human Development Trend」
http://hdr.undp.org/docs/statistics/data/flash/2005/2005.html
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