先日、NHKの「未来への提言 経済学者 ジェフリー・サックス ~貧困のない世界を目指して~ 」という番組で、「ミレニアム宣言」の原案を作ったジェフリー・サックスさんと元国連事務次長で国連PKOを指揮したこともある明石康さんの対談が紹介されていました。つまり国際開発と国際平和の第一線で活躍する専門家同士の対談ですね。とても充実した内容で、私も「おお、世の中にはこんな大きな規模で貧困と闘っている人がいるのか」といろいろ考えさせられました。
さて、今日はこの対談の内容について紹介したいのですが、まずこのジェフリー・サックスさんがどんな人なのかを説明します。この方、本職は経済学者で、なんでもボリビアが3000%のハイパーインフレに陥った際にも政策顧問として招かれ、その手腕で経済危機をガツンと直してしまったようなすごい人らしいです。まさに経済の天才ですね。現在はコロンビア大学地球研究所の所長&国連事務総長の特別顧問&NGO団体「ミレニアム・プロミス」代表と、とにかく国際開発のトップでガンガンに活動している感じの方です。ジンバブエも助けて欲しいところですが、ムガベ大統領が呼んでくれないですよね、残念。
つまりジェフリーさん、国際開発をすごくマクロな視点で考え政策を立案する側の人です。例えば、著書の「貧困の終焉」という本の中でも、「先進国の国々がGDPの0.7パーセントを途上国支援に使ったら世界から貧困が無くなる(日本は0.2%ぐらい)」と予算や金額で国際開発を考えたり、草の根というよりドカンと億単位のお金をどの分野に使った方が一番効果的で最も大きな相乗効果が期待できるか、などを考えたりしているのですね。とにかく扱う規模の金額がすべて半端なくデカイです。
私はどちらかというと数字や金額で物事を考える国際開発には懐疑的な立場なのでジェフリーさんの考え方に手放しで納得というわけでもありませんが、草の根は草の根でその普及や広がりに限界があるので、ジェフリーさんのようなすごい人が世界規模の貧困撲滅には大切なのだろうなと思いました。
対談の中では明石さんが質問をして、それにジェフリーさんが意見や詳しい解説を付けながら答えるという形だったのですが、私が少し面白いと思ったのが、「ミレニアム開発目標は達成できると思いますか?」という明石さんの質問です。というのも、ミレニアム開発目標は2015年までに世界の貧困を半減させるという数値目標を掲げていますが、一般論として開発に携わっている人の多くがこの達成はもうほとんど不可能だと思っており、さてミレニアム開発目標の作成に関わった当のジェフリーさんはこの質問にどう答えるのだろうと思ったからです。
まずジェフリーさんは「タイムリミットが近づき、毎日毎日時間が気になる」と達成が困難な状況にあることを率直に認めていました。そしてその大きな理由の1つにアメリカの「テロとの戦い」をあげていました。確かにアメリカは911以降アフガニスタンやイラクでの戦いに熱を上げてしまい途上国支援に全く目を向けず、アメリカの単独行動主義に国連はほとんど機能せず、EU諸国もその対応に精一杯で、日本も「給油、給油!」と振り回されてばかりな毎日でしたね。給油するしないでもめている間に、いったいどれだけの子ども達に死ぬ程の空腹と病気の苦しみを与えたんですかね・・・。命の重みは平等ではないようです。
一方、そんな現状にヤキモキしてか、ジェフリーさんは自前のNGO「ミレニアム・プロミス」を立ち上げミレニアム宣言の達成に向かって行動も起こしているとのことでした。マクロな視点の経済学者が立ち上げたNGO、ちょっと面白いと思いません?
長くなりそうなので、詳細は次回の記事で紹介します。












